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2つの相関係数の相等性を検定する

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☆ 2つの母集団間の相関係数の相等性(対応がない場合)


☆ 同一被験者からに採られたデータに基づく2つの相関係数の相等性(対応がある場合)


お詫び:以下では,r12→r21, r34→r43 など添字の前後を入れ換えて下さい.

  1. 上記のようなデータ(n=220)に基づき,科目AB間の相関が1学期と2学期で変化したかどうかを検定する.
  2. 具体的には,r12=0.439 と r34=0.595 に基づき,これらが有意に異なるといえるかどうかの検定である.
  3. 検定には, r12とr34に加えて上の表にあるような4つの相関係数が必要である.
  4. excel97 による簡単な分析プログラムあり.
手順
コメント
  1. 上記のデータでは z=-2.345 となり有意水準5%で帰無仮説は棄却され,学期間で相関は変化したといえる.
  2. この検定統計量 z を相関係数から計算する簡単な excel97 でのプログラムを用意した.画面は右図のようであり,相関行列の部分を入れ換えると z の値が表示される.
    [excel97 program のダウンロード(別画面で開く)]
    [excel97 program のダウンロード]
  3. この仮説を検定する方法として,共分散構造分析のソフトウェアを使うことが考えられる.
    1. 変数 X1 と X2 の共分散と変数 X3 と X4 の共分散を等しいとおいたモデルを考え, そのモデルの適合度をカイ2乗検定する.
    2. ただ,普通のソフトウェア(AMOS, CALIS,EQS, LISREL)では, 相関係数に基づく検定はできないので注意する必要がある.相関係数に基づく正確な検定は Statistica の SEPATH でサポートされている.
    3. 実際,普通のソフトウェアでは,カイ2乗値=2.503 (df=1) となり帰無仮説が受容されるが, SEPATHでは カイ2乗値=5.537 (df=1) となって帰無仮説は棄却され,両者の結果は食い違ってしまう.
    4. 上記で紹介した検定統計量 z は正規変量であり帰無仮説の下で(近似的に) N(0,1) に従う.カイ2乗統計量にするには z を2乗する.このとき,z^2=(-2.345)^2=5.500 となって,SEPATH の結果に非常に近い値を与える.この事実は,普通のソフトウエアでの相関係数を入力した検定は不正確である可能性を示唆する.
    5. では,いつも,相関行列を入力する普通の共分散構造分析のソフトウエアでの分析が不適切か,といえばそうではない.考えたモデルが尺度等変(scale equivariant) であれば,正しいカイ2乗値が得られる.尺度等変性については後日紹介する.(未完)

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