2009年度 研究室ゼミ

毎週水曜13:00~

研究室ゼミ:研究室のスタッフや院生が最新の研究成果を発表し,それについて議論を戦わせます.もちろん,ご興味のある方はいつでも歓迎いたします.

データ科学チュートリアル:講座員,または他から講師を招き,さまざまなトピックを取り上げ数回で講義します.データ科学,確率・統計に関するあらゆる話題を対象とし,理論・応用に関する知識を幅広く共有することを目指します.

研究室ゼミの記録


研究室ゼミ

12月16日
第11回: 井上 高継(M2), 吉森 雅代(M2)
題目: 修論中間報告会
概要: 修士論文の途中経過に関する報告.

11月11日
第11回: 紺谷 幸弘(D3)
題目: Hall(1992)による漸近展開の二次項の評価
概要: Hall(1992)では,標準化量(あるいはStudent化量)を標本平均の関数として表現することを考え,かなり広い族の標準化量の漸近展開が与えられている.この漸近展開について,一次の項(n^{-1/2})の係数は詳細な評価の結果が記載されているが,二次の項(n^{-1})の係数は大雑把な評価に留まっている.本発表では,二次の項を詳細に評価した結果について,評価の際に導入した考え方や表記法を中心に紹介する.

11月4日
第10回: 高木 義治(D3)
題目: Martingale残差について
概要: 生存解析におけるmultipule intensity model に対する推測論とmartingale残差の扱いについての概観.

10月14日
第9回: 吉森 雅代(M2)
題目: 線形混合モデルにおけるEBLUPのMSEとその推定量
概要: 線形混合モデルにおける、分散成分が既知の場合の予測量としてBLUPが知られている。また、分散成分のパラメータが未知のときの予測量としてEBLUPが用いられる。BLUPとEBLUPについて概説した上で、EBLUPの真のMSEが導出できない問題を取り上げる。それに対して、真のMSEを評価するための評価法として、テイラー近似法、条件付きMSE法で導出したMSEとバイアス修正した推定量を紹介し、それらの方法をまとめる。

第8回: 井上 高継(M2)
題目: 欠測のある構造方程式モデルの一致性とバイアス
概要: 欠測メカニズムがMARの時の、ある特定のモデルにおける正規分布にもとづく最尤推定量が、分布にかかわらず一致性を持つことを示し、MARでも一致性を持たない場合や、NMARでのバイアスを求め、そのバイアスが減るための条件を説明する。

7月22日
第7回: 吉森 雅代(M2)
題目: 線型混合モデルにおける推定と分散に対する標本バイアス修正
概要: 線形混合モデルにおける推定量を導出し、その性質について概説する。そして分散成分モデルにおける標本分散推定量の導出に関する複雑な問題を取り上げる。 この推定量をPlug-in estimatorとして扱う考え方が自然であるが、この考え方は非常に危険である。この危険な推定量がもつ問題点を考慮した先行研究を紹介し、そこで導出された適切な推定量を紹介する。

第6回: 井上 高継(M2)
題目: 構造方程式モデルの漸近性質と頑健性を満たすための条件
概要: 構造方程式モデル(SEM)の漸近性質や、正規分布の仮定が崩れた時の漸近有効性,適合度や制約の検定の頑健性を満たすの条件を紹介する。

5月27日
第5回: 紺谷 幸弘(D3)
題目: 正規化変換に基づく信頼区間
概要: 正規化変換を用いて信頼区間の被服誤差を小さくする手法を紹介する.

第4回: 林 賢一(D3)
題目: ブースティングと現在の研究紹介
概要: 本発表ではブースティングの紹介と,現在の研究内容を紹介する.まずブースティングの基本的なアイデアを概説し,数理的な側面について触れる.現在の研究内容については,非対称ミスラベルがある場合のブースティングについて紹介する.非対称ミスラベルデータは,ミスラベルの起こる確率が未観測な真のラベルに依存しているデータのことである.このようなデータをモデリングすることによって導かれる,二つの異なるブースティングを提案する.

4月22日
第3回: 井上 高継(M2)
題目: 構造方程式モデル(SEM)の頑健性
概要: SEMにおける漸近有効性等を述べたあと,一般線形潜在変数モデルという一般的なモデルにおける頑健性を示す.

第2回: 吉森 雅代(M2)
題目: Mixed Models
概要: 様々な場面で使用されている線形混合モデルについて紹介を行う.また,データ例を用いて混合モデルを用いる意義を説明する.

4月15日
第1回: 狩野 裕(教授)+高井啓二(招聘研究員)
題目: Analysis of Incomplete Data (part 1)
概要: 不完全データ解析の基礎的な内容と最近の研究成果を紹介する.基礎的な内容として,不完全データ解析の定式化,尤度法はなぜ不完全データ解析においても利用可能なのか,尤度法の漸近的性質などを取り上げる.個別テーマとして,不完全データに基づくモデル選択法,潜在変数モデルにおける不完全データ解析法を紹介する. 一回の発表では紹介しきれないので何回かに分けて発表する.


データ科学チュートリアル

12月9日
第9回 堀池譲立,上田修司,望田雄真,水関裕人(B4)

題目 : 堀池:ベイズ的な線形回帰問題, 上田:実験計画法の基礎,
望田:グラフィカルモデルの基礎, 水関:一般化線形モデル入門,

概要 :
堀池:ベイズ的なアプローチとは何かについて話したあと、その適用例として線形回帰問題を話す.
上田:1因子や2因子の要因配置実験から導入し、その後空間における写影を考えることで一般化したい.
望田:確率変数間の条件付独立の関係をグラフ化して表すグラフィカルモデルについて、基礎的な部分を解説する.
水関:一般化線形モデルの定義やその使用例などの概説.

12月2日
第8回 野見山修二,藤本翔太,渡邉創人(M1)
題目 :
野見山:EMアルゴリズム; 藤本:高次元小標本の多変量解析; 渡邉:確率伝搬法

概要 : 野見山:欠測のあるデータについて最尤推定を行うための手法であるEMアルゴリズムについて解説する.アルゴリズムについて簡単に紹介した後,例を通してその性質について述べる.

藤本:変量の個数が標本数に比して大きい場合,標本共分散行列が特異になるため,伝統的な統計手法が適用できないことがある.本発表では,この点を対処した多変量解析法の一例として,Dempster(1958,1959)によって提案された近似F検定を紹介する.

渡邉:ベイジアンネットワークにおいて,周辺事後確率の計算を効率よくアルゴリズム化した手法,確立伝搬法について述べる.ベイジアンネットワークを簡単に紹介した後に,確率伝搬法を紹介する.

11月4日
第7回 清水 泰隆 (助教)
題目 : 確率過程に対する統計的推測: M-推定の一般理論とその応用
概要 : IIDデータに基づくパラメータのMLEの一致性や漸近正規性は基本的でよく知られた性質であるが,その証明について,数学的に厳密に書かれている教科書は意外と少ない.今回は,いくつかの有名な教科書に基づき証明の細部を検証し,何が本質的な条件かを確認する.その上で,さらに一般的なデータ(例えば時系列データ等)に対するM-推定に関する定理を述べる.

10月7日
第6回 林 賢一(D3)
題目 : 8大学博士交流フォーラムへ行ってきました
概要 : 8大学博士交流フォーラムへ派遣されたので,グループディスカッションやポスターセッションなどを通じて見聞きしたこと,感じたことを報告する.仙台の美味しいものを紹介しながら.

7月1日
第5回 B4(上田,堀池,水関,望田)
題目 : AP statistics
概要 : AP試験(アドバンスド・プレースメント・テスト)とは,高校が,能力の高い生徒のために,大学1年次相当の発展的なAP科目を開講し,統一試験での結果が5段階で3以上の場合,多くの大学が,入学後に高等教育の単位として認めるもの.本チュートリアルでは,米国で使われているAP統計学(AP statistics)の教科書の内容を報告する.

6月24日
第4回 高井 啓二(招聘研究員)
題目 : 不完全データの統計解析
概要 : 欠測値を含むデータを尤度を用いて解析するための基礎理論を紹介する.欠測値にもとづく最尤推定量の漸近的な性質を示す.また,欠測メカニズムが無視可能なときと,無視不可能なときの漸近分布を示す.応用として,情報量規準を導出できることや無視可能性を検定できることを示す.

6月17日
第3回 M1(藤本,野見山,渡辺)
題目 : Data Analysis
概要 : Andrews, D. F. and Herzberg, A. M.(1985). Data: A Collection of Problems from Many Fields for the Student and Worker, Springer-Verlag, New York. から選んだデータで自由に解析を行い,発表する.

6月10日
第2回 吉森 雅代(M1)
題目 : デルタ法とその周辺
概要 : 基礎ゼミ総合報告のため,今回はデルタ法とその周辺に焦点をあてる.なぜデルタ法の利用価値が高いのか,応用例を用いて紹介していくのが目的である.デルタ法の証明のため,確率収束,法則収束についての復習と,slutskyの定理についても紹介する.

第1回 井上 高継(M1)
題目 : 欠測について