2006年度 研究室ゼミ

毎週水曜13:00~

研究室ゼミ:研究室のスタッフや院生が最新の研究成果を発表し,それについて議論を戦わせます.もちろん,ご興味のある方はいつでも歓迎いたします.

データ科学チュートリアル:講座員,または他から講師を招き,さまざまなトピックを取り上げ数回で講義します.データ科学,確率・統計に関するあらゆる話題を対象とし,理論・応用に関する知識を幅広く共有することを目指します.

研究室ゼミの記録


研究室ゼミ

12月13日
第13-1回 : 丸尾 和司 (M2)
題目 : 臨床検査値の参照範囲:その根拠と評価

第13-2回 : 元垣内 広毅 (M2)
題目 : 縮小推定量におけるブースティングの効能

12月6日
第12-1回 : 宮村 理 (D3)
題目 : An algorithm for a global condition of vanishing bi-partial covariances, and more
概要 : 本発表では、Gaussian Ancestral Graph モデルにおいて、任意の二変数間で bi-partial covariance がゼロになるかどうかを判定するアルゴリズムを提案する。

第12-2回 : 清水 泰隆 (助手)
題目 : Statistical infernece for jump-type processes and its application.
概要 : 飛躍型確率過程は,近年ファイナンスや保険における標準的な道具となりつつあり, その統計推測は実務上重要である.このようなモデルの統計推測では連続推移の情報と飛躍の情報を分けて取り出すことが,しばしば重要な作業になる.この作業は,連続観測が得られる状況下なら容易であるが,離散観測しか得られないようなケースでは困難になる.この問題に対して,Mancini('04), Shimizu and Yoshida ('06) らがジャンプ検出のための漸近フィルターを構成し,一般の飛躍型確率過程に対する統計推測が接近可能なものとなった.本報告では,jump-diffusion の統計推測理論の最近の発展について概観したのち,その漸近フィルターをより一般の飛躍型確率過程に適用し,その応用について述べる.

11月15日
第11回 : 紺谷 幸弘 (D1)
題目 : 単調な正規化変換に基づく信頼区間とbootstrap信頼区間の比較
概要 : 信頼区間の構成方法について概観する。特に、正規近似による方法、Conish-Fisher展開による方法、またbootstrap方を用いた方法について説明する。次に、これらの方法のパフォーマンスを計算機実験によって評価した結果を報告する。

11月1日
第10-1回 : 松岡 徹 (B4)
題目 : 多変量データの分析(基礎)
概要 : 代表的な多変量解析手法として、判別分析、主成分分析、クラスタ分析の三つを紹介する。

第10-2回 : 高野 智史 (B4)
題目 : Kalman Filter
概要 : Kalman filter の基礎を紹介する。

10月25日
第9回 : 高井 啓二 (D2)
題目 : EM アルゴリズムとその応用
概要 : 本発表では、まず EM アルゴリズムの紹介を行う。EM アルゴリズムの応用として、非線型制約条件の下での推定方法、および潜在クラス分析における推定アルゴリズムについて議論する。

10月11日
第8-2回 : 山本 崇太 (M2)
題目 : 多次元 IRT モデル、修士論文計画
概要 : 多次元 IRT モデルにおける補償型と非補償型の二つのモデルを統一的に記述するモデルについて議論する。またこのモデルの推定方法について考察を行う。

第8-1回 : 梅原 武志 (M2)
題目 : SVM の頑健性について、修士論文計画
概要 : サンプルに外れ値が混在している場合の、SVM と線型判別分析それぞれの分析結果における影響を比較し、そのメカニズムを考察する。

10月4日
第7回 : 林 賢一 (M2)
題目 : Boosting と過学習、修士論文計画
概要 : Boosting における過学習を防ぐための新しい方法を提案する。シミュレーション実験に基づいて、その有効性を議論する。

7月5日
第6回 : 清水 泰隆 (助手)
題目 : A practical approach to the inference for jump-processes from finite samples
概要 : パスにジャンプを含む連続時間型確率過程は,ファイナンス等で証券価格のモデリング などに使用される.これらの離散観測による統計的漸近理論はある程度明らかにされてきたが, 実務上,有限標本による推定になると,ある種のハイパーパラメータの選択によっては, 推定精度の悪化が深刻である.本報告では,このハイパーパラメータ選択法について議論する.

6月7日
第5回 : 紺谷 幸弘 (D1)
題目 : 単調な正規化変換とそれに基づく信頼区間の構成
概要 : 信頼区間構成の基礎について導入を行った後、正規近似改善方法について議論する。

5月24日
第4回 : 高井 啓二 (D2)
題目 : 欠測値解析の基礎
概要 : 欠測値解析の基礎について導入を行った後、欠測値を含んだ二次元分割表における推定方法を議論する。

5月10日
第3回 : 土居 淳子 (私学研修員)
題目 : 大脳皮質ニューロンの不規則発火活動と拡散過程モデル
概要 : In vivo 実験系における大脳皮質ニューロンは、盛んに活動している場合においても Poisson過程で近似できるほど不規則である。 このような発火間隔の大きなばらつきの原因と役割 は何かという問題が、大脳皮質ニューロンの情報表現様式の問題と結びつい て盛んに研究されている。 今回の報告では、古典的なintegrate-and-fireモデルである拡散過程モデルを概説し、 逆転電位を考慮した拡散過程モデルによって高発火率での不規則な活動を 説明できることを示す。

4月19日
第2回 : 宮村 理(D3)
題目 : Bi-partial covariance による Gaussian ancestral graph モデルの記述
概要 : 偏共分散を一般化した指標:bi-partial covariance を提案する。これは共分散要素とゼロ要素から構成される行列式として 定義される。ゼロ要素のインデックスは、与えられた Ancestral Graph (AG) から一意に決定することができ、一般に bi-partial covariance が変数間の誤差相関に比例することが示される。これらの性質から、bi-partial covariance を用いて、与えられた AG の表す多変量正規分布の完全な特徴付けが可能であることを証明する。

4月12日
第1回 : 狩野 裕(教授)
題目 : 研究室の運営方針2006


データ科学チュートリアル

1月10日
第17回 高井 啓二 (D2)
題目 : モンテカルロ積分とData Augmentation Algorithm
概要 : モンテカルロ積分の理論と,Data Augmentation Algorithmの概要を紹介する.モンテカルロ積分が,どのような理屈で正当化されるのか,そしてどのようなことができるのかを説明する.また,事後分布$p(\theta|Y)$を求める方法であるData Augmentation Algorithmの概要についても触れる.

12月13日
第16回 宮村 理 (D3)
題目 : シアトルでの在外研究は素晴らしかった
概要 : 発表者は 2005 年の一年間,アメリカ・ワシントン大学にて在外研究を行なった.本発表では,外国での共同研究やその準備手続,また国外での生活について経験を基に紹介する.さらに,研究や生活に必須であった英語の習得について,経験的に有効であったと考える学習方法についても紹介する.

11月29日
第15回 室井 芳史 氏 (金融・保険教育研究センター・特任助手)
題目 : 保険リスクと破産理論
概要 : 数理保険学は古くから研究が行われているが,近年数理ファイナンスとの関係等にも刺激され研究が深化している分野である.ここでは余り難しい議論には立入らず,かつ,なるべく保険理論の概要が分かるように解説を行いたい.そこで本発表では,保険リスクと破産理論の入門部分について解説を行う.また,近年の数理ファイナンスの研究との関連についても若干触れてみたい.なお,本発表の流れは基本的にDickson (2005) に従っている.Dickson (2005) はより包括的な数理保険学の教科書Gerber (1979)やKlugman, Panjer and Willmot (2004) の影響を多分に受けながら執筆されたという印象を得ている.
本発表の後半部では,80年代および90年代に研究された破産理論の簡単な解説を行う.この時代の保険理論,特に破産理論はGerber (1979)の内容を発展させながら研究してきたような印象を抱く.ここでは,破産確率の計算や破産時の赤字額,破産までの時間などなどについて触れてみたいと思う. (13:00~16:30)

11月15日
第14回 山本 崇太 (M2)
題目 : ベイズ統計学
概要 : ベイズ統計学では、未知母数の値を定数としてとらえるのではなく,確率変数としてとらえる.このベイズによる統計的推測理論を基本的なところから順に説明していく.また,IRTのモデルに対してベイズ統計の手法がどのように使われるのかも見ていきたいと考えている.

10月25日
第13回 林 賢一 (M2)
題目 : 学習理論ことはじめ
概要 : 統計的学習理論の目的のひとつである経験リスク最小化(Empirical Risk Minimization)に関する理論を中心に紹介する.数学的に厳密な取り扱いよりも,概念の直感的な理解を優先したい.時間があれば付随する話題についても述べる.

10月4日
第12回 原田 奈弥 (M1)
題目 : 線形混合モデルの基礎
概要 : 線形混合モデルとは通常回帰分析で処置の効果となっている固定効果に加えて、変量効果という確率変数でデータのバラツキを説明するモデルである。その基礎的な推定や検定を説明し、発展として一般化線形モデルについても述べる。

7月12日
第11回 紺谷 幸弘 (D1)
題目 : 漸近展開入門 Gram-Charlier展開とEdgeworth展開 (下)
概要 : 漸近展開は,ある統計量の分布関数とその極限分布との近さをより詳細に評価するための方法の一つである.今回はこの入門として,標準正規分布に収束するような,標準化した量の分布関数の漸近展開であるGram-Charlier展開とEdgeworth展開について紹介する.

7月5日
第10回 紺谷 幸弘 (D1)
題目 : 漸近展開入門 Gram-Charlier展開とEdgeworth展開 (上)
概要 : 漸近展開は,ある統計量の分布関数とその極限分布との近さをより詳細に評価するための方法の一つである.今回はこの入門として,標準正規分布に収束するような,標準化した量の分布関数の漸近展開であるGram-Charlier展開とEdgeworth展開について紹介する.

6月28日
第9回 高井 啓二 (D2)
題目 : MCMC
概要 : マルコフ連鎖モンテカルロ(MCMC)は,複雑な分布から乱数を得る方法である.MCMCの主なアルゴリズムであるメトロポリスヘイスティングス法の直感的な意味を与え,ギブスサンプリングなどの他の方法との関連について紹介する.代表的な収束基準についても紹介する.

6月21日
第8回 高井 啓二 (D2)
題目 : EMアルゴリズム
概要 : EMアルゴリズムは,欠測データが存在しているときに,最尤推定値を求める方法である.このチュートリアルでは,EMアルゴリズムの各ステップ(E-stepとM-step)を導くことができるようになることを目的とする.また,EMアルゴリズムの基本定理を示す.最後に,EMアルゴリズムに関わるいくつかの話題を与える.

6月7, 14日(全2回)
第6,7回 宮村 理 (D3)
題目 : グラフを用いた統計的因果推論になれよう
概要 : Pearl 流の統計的因果推論では、因果知識の表現に有向辺からなる DAG を用いる。一方、統計モデルにおいては DAG によって変数間の条件付独立性を表現する。どちらも DAG をその表現方法として採用しているため、その解釈にしばしば混乱があるように思われる。本チュートリアルでは、グラフを用いた因果推論の考え方と方法を紹介し、その相違を明確にして他の文献を読む際に役立つ基礎を固める。

5月24日
第5回 林 賢一 (M2)
題目 : VC理論について
概要 : 学習理論/パタン認識の核とも云える「判別性能の評価」についてのVapnik and Chervonenkisの理論を紹介する.特に,函数集合の複雑さを測るVC次元に注目し,Glivenko-Cantelli不等式を拡張したVapnik-Chervonenkis不等式について説明する.

5月17日
第4回 : 山本 崇太 (M2)
題目 : 項目反応理論(入門)
概要 : 項目反応理論(Item Response Theory : IRT)と呼ばれる,テストを作成・実施・評価等をするための現代的テスト理論について,できるだけ分かりやすく説明していく.また,古典的テスト理論(Classical Test Theory : CTT)との対比も行うことで,テスト理論に関する理解を深めたいと思う.

5月10日
第3回 : 梅原 武志 (M2)
題目 : An Introduction to An Introduction to Support Vector Machine
概要 : サポートベクターマシンの基礎となる数理計画法や学習理論を演習形式で紹介し、実際に簡単な問題でサポートベクターマシンを体験する。また、サポートベクターマシンを扱えるアプリケーションについても紹介する.

4月19日
第2回 : 清水 泰隆 (助手)
題目 : 確率過程への30講(下)~確率過程から数理ファイナンスへの応用まで~
概要 : 最も基本的な確率過程であるランダム・ウォークの極限としてBrown運動が現れることをみる.その後,マルチンゲール,確率積分から伊藤解析を紹介し,数理ファイナンスへの応用としてBlack-Scholes方程式や,偏微分方程式と確率微分方程式との関連などについて触れる.

4月12日
第1回 : 清水 泰隆 (助手)
題目 : 確率過程への30講(上)~確率論の基礎~
概要 : サイコロ投げの例を元に,確率変数の測度論的定義を導入する.サイコロの無限回投げから連続時間型確率過程の定義へと,実数値確率変数の概念を関数空間上random elementの概念へと自然に拡張し,連続時間型の確率過程について述べる.