ジャンプの存在する非完備な市場におけるMMM(Minimal Martingale Measure)の下での派生証券の価格付けを紹介する. ここでは株式取引を, 取引間 隔と収益率という2つの値を持つマーク付き点過程としてモデル化する. より具 体的には, 取引間隔はACD(Autoregressive Conditional Duration)モデルにより 定式化し, 収益率のジャンプはある一定幅以上の上昇か下降という2値に還元す るGLARMA(Generalized Linear Auto-Regressive Moving Average)モデルにより 定式化する. これらのモデルを高頻度データを用いて推定し, その推定結果に基 づきモンテカルロ-シミュレーションからオプション価格を導出する.