指数拡散分布族を含む拡散分布族における多層回帰モデルを考える. 切片パラメータは層によって異なるが, 傾きパラメータは 共通であるとし, この共通パラメータの推定方法を提案する:

1. 切片パラメータに対して（共役）事前分布を仮定する. このとき, 傾きパラメータは既知であるかのように扱う.
2. 傾きパラメータのスコア関数の事後平均を推定関数とする.

汎用性が高いこの推定方法は, 最適性に裏打ちされたパフォーマンスの良さをもつ. 実際, ステップ2の推定関数はある 評価基準の下で最適であり, いくつかの具体例では傾きパラメータのスコア関数にステップ１の切片パラメータのBayes推定量 をプラグインしたものと等価になる. 例題として, Poisson分布およびガンマ分布の対数リンクモデルならびにvon Mises分布の 恒等リンクモデルを扱う.

(統計数理研究所の柳本 武美(Yanagimoto, Takemi)教授との共同研究)