統計数学セミナー
Seminar on Probability and Statistics
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Seminar on Probability and Statistics
Tuesday March 5 2013
Tokyo 006
2:50-4:00 pm


ベイズ予測に基いた波動関数の推定と純粋状態モデルの無情報事前分布


田中 冬彦 / TANAKA, Fuyuhiko
東京大学 / University of Tokyo

Abstract

近年、量子状態トモグラフィにみられるように、量子物理実験において、統計的手法を用いた推定精度の向上が注目されている。本発表では、波動関数のパラメータ族が与えられた下で、少数の実験データから波動関数を推定する問題を考える。物理分野では、一般に、点推定に基いた推定しか議論されていないが、データが少ない場合にはパラメータの推定量の統計誤差が無視できない。本発表ではベイズ予測の考え方に基いた推定量を提案する。例として位置パラメータをもつガウス型の波動関数の推定を取り上げ、フィデリティ損失の下で、最尤推定(点推定)に基く推定より、ジェフリーズ事前分布を用いたベイズ予測に基く推定が一様に推定誤差を小さくすることを示す。後者は最良共変推定量にもなっている。 一方、このようなモデル(純粋状態モデル)における無情報事前分布の問題も、物理分野ではほとんど研究されてこなかった。本講演ではBernardoの考え方に注目し、パラメータ空間のコンパクト性を仮定した下で、純粋に量子論的な事前分布を提案する。導出の際に最小エントロピーが出てくるため、統計的モデリングなどへの応用も期待される。




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