日本行動計量学会 第3回春の合宿セミナー

「共分散構造分析(SEM)は,パス解析,因子分析,分散分析の
すべてにとって変わるのか?」

配布資料 (pdf file, 947KB)
・プレゼン資料 ppt file (1,007KB) pdf file(928KB)指定討論に対する回答のスライド (ppt file, 98KB) 当日準備していたスライドのみ

                        プログラム

	オープニング
	1. データと探索的因子分析・検証的因子分析
	2. 探索的因子分析とSEM
	      2.1  EFA, CFA ともに可能な場合
	      2.2  EFA では分析できないが CFA では分析できる場合
	          2.2.1  2変数にしか影響しない因子がある場合
	          2.2.2  因子が多すぎる場合(Ledermann の限界)
	3.「尺度化+相関分析・回帰分析」とSEM
	      3.1  相関分析
	      3.2  回帰分析
	4 「尺度化+分散分析」とSEM
	      4.1  ANOVA・MANOVA のSEMでの実行方法
	      4.2  拡張と比較
	5. パス解析とSEM
	6. さいごに



                                      大阪大学人間科学部  狩野 裕

本タイトルは「春セミ」実行委員会から与えられたお題である.なかなか魅力的で気に入っている.
この問いに対してだれも「YES」とは言わないと思うが,少しトーンと落して,「パス解析,因
子分析,分散分析があるのになぜ共分散構造分析が必要なのか」という疑問は多くの研究者・実務
家がもっているだろう.若い院生なら,「最近,共分散構造分析が流行っているらしい」という噂
だけで,あまり抵抗なくこの新しい分析方法を勉強するであろうが,従来の分析方法で十分に実績
を積んだ中堅は,既存の方法論にはない「ミソ」がなければ,つまり,既存の方法論では分析でき
ないが,共分散構造分析では可能になる,そういう状況を目の当たりにしないと,新たに勉強しよ
うという気にはならないだろう.逆に,アンチ共分散構造分析になるかもしれない.

本コースでは,このような目的意識をもち,既存の分析方法と共分散構造分析の relative 
advantage について話題提供する.以下の内容を念頭においている.

パス解析(重回帰分析の繰り返し)            vs  共分散構造分析でのパス解析
探索的因子分析                             vs  検証的因子分析
探索的因子分析+尺度化+回帰分析・相関分析  vs  潜在変数の回帰分析・相関分析
探索的因子分析+尺度化+分散分析           vs  潜在変数の分散分析

パス図やモデルファイルの作成方法など初級者向けの講義はしないが,従来の方法との比較を通して初級
者にも十分理解できるよう配慮する.

中級者にとっては「ミソ」が理解できる,また,初級者には共分散構造分析を勉強してみようとい
う意欲がわく,そのようなコースにしたい.
[もどる]
[トップページへもどる]