「SD法データの分析:因子分析や3相因子分析による分析の問題点を整理する」


狩野 裕 & 原田 章


SD法は印象評価を数値化する代表的統計的方法である。 被験者に刺激を与えて、その印象を、多くの対極にある形容詞の組によって測定しようとする。 得られたデータは多くの場合、因子分析によって解析される。 刺激が複数個ある場合、データの構造は、いわゆる3相構造となり、3相の因子分析を適用する場面となる。 ところが、多くの場合、条件を無視して通常の因子分析が適用される。 ここでは、その問題点を整理する。また、3相因子分析が使われないのは、その方法論が十分に開発されていないのが一つの理由だと考えられる。 そこで、3相データの分析方法をいくつか紹介し、SD法データを適切に分析する方法論を開発する第一歩としたい。

今回の発表は問題提起であり、実際データへの適用や新しい方法論の提案は次回で報告したい。


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