Metropolis-Hastings アルゴリズムは, 確率密度関数 p が定数倍を除いてしか分かっていない場合に, p(x)dx に分布が収束するマルコフチェインを作る一般的な方法であり, その収束の速さは確率密度関数 p の裾の形状に依存する.

確率密度関数 p の裾が軽い場合比べ, p の裾が t-分布のもののように重い場合は一般に収束が遅くなってしまうが, それを改善する方法はあまり多く研究されていない. 今回のセミナーでは, 最近流行しているLangevin方程式の離散化を用いるアルゴリズムを 裾の重い多次元の分布に適用し, 多項式型収束のオーダーを示す. またそれを改善するアルゴリズムを提案する.

改善されたアルゴリズムは従来のアルゴリズムより幅広い p に 対応し, また収束のオーダーも良い.