パワーポイントスライドショー(講演2)
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                      平成10年度第1回行動談話会のご案内

               下記の要領で談話会を開催しますのでご案内いたします.


                                                       行動系幹事教授 吉田光雄

日時: 平成10年4月10日(金)16:00〜18:00
		(オリエンテーションが延びた場合は終了後直ちに開始)
場所: 31教室
なお,15:30よりコーヒータイムを設けますので是非ともお越しください.

★ 講演1  講演者:坂井明子氏(美作女子大学講師,比較行動論講座出身)
           演  題:小・中学生用攻撃性質問紙の作成
★ 講演2  講演者:狩野裕(行動工学)
           演  題:攻撃性尺度の分析:小学生vs中学生 --- 多母集団の同時分析 ---

講演要旨
★ 講演1
現在まで,攻撃性(怒り・敵意・攻撃)を測る尺度として様々な質問紙が開発されているが,
いずれも,(i) 成人用である,(ii) 攻撃の方向を測るものであり攻撃性の強さはわからない,
(iii) 信頼性・妥当性に問題がある,などの問題があり,小中学生の攻撃性の強さを測るため
の信頼性・妥当性を備えた質問紙は見あたらない.そこで,米国で作成された Buss & Perry
(1992) の Aggression Questionnaire をしたじきにして作成した日本版 Buss-Perry 攻撃
性質問紙(BAQ)をもとに小・中学生用の攻撃性質問紙を現在作成中であるが,その途中
経過を報告する.

★ 講演2
講演1で開発された「攻撃性尺度」の因子分析的検討を行う.特に,小学生と中学生の間で
質問項目間の因子構造にどのような差異があるかを統計学的に分析する.従来の手法は
小学生と中学生を個別に(探索的)因子分析を行うことであったが,検証的因子分析を用い
た同時分析を実行すれば両集団の差異を統計的に検定することができ,分析がより客観的
になる.得られた結論をいくつか挙げる.(i) 小学生のデータは4因子モデルがかなり良く適
合するが,中学生の4因子モデルは適合度がやや低い.このことは,小学生はより単純で中
学生の構造は一筋縄では行かないと言えようか.(ii)「身体的攻撃性」と「短気」の相関ならび
に「身体的攻撃性」と「敵意」の相関は,中学生と比して小学生の方が高い.これは小学生の
直情径行性を示していると考えられ,中学生はやや大人になったということであろう.

不明な点などがおありの場合は,吉田(879-8051) または狩野(879-8052)までご連絡頂ければ幸いです.