現象の解析には、数値解析、コンピュータ・グラフィクス、計算アルゴリズムなどの高度なコンピュータ活用が必要不可欠です。 数理科学領域では、特に、微分方程式、数理物理学、統計解析、データ解析に力を入れて研究・教育を行なっています。 数理科学領域では大きく応用数学および統計数学の2つのグループから成り、それぞれはまた2つの小グループに分かれて研究教育を行なっています。
本講座では自然、社会、工学における諸現象を数理モデルとして記述し、その解析的、代数的構造を解明し、さらに、その基礎の上にたって、現実によるモデルの検証、実現象への適用、モデルのさらなる改良に関する研究と教育を行う。
■ 教授:小林 孝行 ■ 准教授:古場 一 ■ 助教:橋詰 雅斗(兼)
微分方程式グループ ホームページ流体力学や非線型ファイバー光学などに現れる非線型偏微分方程式の数学的な構造に関する教育研究を行う。これに関連して、関数解析や確率微分方程式、無限次元力学系に於ける位相計算などを用いた解析法を開発している。
■教授:石渡 通徳 ■ 助教:橋詰 雅斗(兼)
応用解析グループ ホームページ自然現象や社会現象における諸問題の数理モデルについて、現代数学的手法に基づく解析に関する研究教育を行う。扱う対象は非線型拡散現象、古典及び量子的な電磁気現象、爆発現象、フラクタル上の非線型現象、ニューラルネットワークの解析学的構造などで、扱う手法は現代的な偏微分方程式論、函数解析、力学系理論、変分解析、最適制御理論などである。必要に応じて計算機を用いた数値計算やシミュレーションも行う。
生命現象、社会現象等の、誤差や固体変動を含み、かつ複雑な相関があり強い非線形構造を持った現象に関する、データに基づいたモデル化およびデータの解析法の開発と応用に関する教育研究を行う。
■教授:鈴木 讓 ■准教授:寺田 吉壱 ■ 助教:渡名喜 庸蔵
統計解析グループ ホームページ機械学習、情報理論、ベイズ統計などの計算機を意識した統計学とその応用について検討している。アルゴリズムを提案し、ソフトウェアで実装し、実データに適用して、実行時間や推定精度を評価することになるが、情報幾何によってその学習の意味を解釈したり、サンプル数とともに正しい推定結果を得ているか(モデル選択など)などの数学的な評価も可能な限り行っている。応用として、たとえば、ゲノム解析や株価解析などにおける多変数間の確率的依存関係を、無向森やベイジアンネットワークの形で学習するなどの成果を得ている。この他、量子系の統計推測に関するテーマも受け入れている。
■教授:杉本 知之 ■講師:二見 太
データ科学研究グループ ホームページデータ科学を取り巻く状況は、昨今の情報技術やAI技術の発展とともにより一層活性化しています。本研究グループでは、生存時間解析などの生物統計学、データ利活用による知的活動の自動化や新たな価値創造、AIの結果を解釈可能にする統計的要約などに貢献するため、数理科学と計算機の力を基礎的なツールとして、多変数のデータ集合から新たな知識を得る統計手法や機械学習法の新規開発、開発した手法の数理統計や学習理論の研究を行っています。